エルンスト・ギャンパール(Ernst Gamperl)
Tree of Life 2, 2016
Oak

 

家具づくりの内弟子を経て、木材旋盤加工の熟練工となった後、ドイツとイタリアに自らのスタジオをオープンさせます。彼独自の木材に対する鑑賞力によって独特で特徴的なニッチを彫り出すことにより、 その作品は、ヨーロッパ、アジア、アメリカで人気が高まっています。嵐によって根元から折れてしまった樹齢300年を超えるオークから切り出したこの大きな木製コンテナは、木そのものの形、亀裂、 割れ目などからデザインのヒントを得ています。フィリグリー(金銀線細工)の平行溝を慎重に彫ることで、表面に対するアルチザンとしての技が実証される一方、粘土、土壌、 石の粉末を処理したものと木材の自然のタンニン酸とが組み合わされることで、オブジェにふさわしいオーガニックな仕上げがもたらされています。自然の不完全さにみちた彼の自然へのトリビュート作品は、 倒れた木のストーリーを永遠のものにしています。